自分の人生で一番大事な事は何かと聞かれれば、今は間違いなく、自分の知識・経験・能力を高めることと答える。趣味であっても、仕事であっても、これまでやったことの無いことに果敢にチャレンジしていくことは非常に重要である。
最近、よく耳にする言葉に、「プロなら時間通りに余裕を持って仕事をこなせ」ということがあるが、個人的にはこのような「プロの仕事論」には非常に違和感がある。もちろんお客様からお金を頂いて仕事をするわけだから、時間通りにきちんと仕事をすることは当然であるし、大事であると思う。
しかし、本当にそのような事が可能なのだろうか。仕事をするのは人である。個別の人を見ていけば、はじめから時間通りに余裕を持って仕事をすることなど出来る人はいないだろう。どのような仕事であっても、多少の失敗をしながら自分なりに仕事のやり方を身につけて行くものである。 私は、「プロの仕事論」 を唱える人たちは、はじめから「仕事のレベルはこの程度」という高をくくっているように思えてならない。
最近、どのような職場に行っても、「職責を果たすと」いう考えで仕事をしている人が減った。その人も「仕事だからやっている」という考えで行動している様に見える。前者と後者では、どちらに将来の発展が見込めるか言うまでも無いだろう。現代の様に移り変わりの激しい世の中では、とにかく一生懸命やって見ると言うことを繰り返して、自分の能力を高め、時代の変化について行く必要があるだろう。
私は、この問題を「最近の若者論」で論じるつもりは無い。最も重要なのは、その職場を管理する人の意識である。社長や店長など、人を採用して使う側にある人たちは、このことを強く意識して、「職責を果たす」というのはどのようなことなのか、しっかり教えながら仕事をするようにしてほしい。