よく、これからの時代はブランドが物を言うと言われているが、日本でブランドを真剣に育成しようと考えている企業はどれだけあるのだろうか。
 今日、  サムスン電子が、 GALAXY S IIIを発表した。GALAXYのメインストリームは、およそ一年おきにモデルチェンジをしている。派生機種はあるものの、「今の世代のメインはこれです」とわかるようにしている。
また、言うまでも無いだろうが、Iphoneは同世代における派生機種は無く、容量のバリエーションがあるのみである。

一方日本のスマートフォンを見ていると、ブランドは一応あるといったレベルにしか見えない。同じXperiaでも、中身は全く違うし、少なくとも Xperia を買えば安心という感じは全くない。他のメーカーはもっと酷く、有名なテレビのブランドを適当につけただけのレベルである。

このような状況を、日本企業が悪いと言ってしまえばそこで話は終了だが、もう少し考えると、日本市場では、「新製品」を「数多く」そろえなければならないという大量消費時代の錯覚があるのではないだろうか。現代において、スマホを店頭にいって何となくで機種を選ぶ人は少数派だろう。友人が持っているから、テレビで見たから、ネットで調べたら良さそうだからといった理由で機種を決めている人が大多数だろう。そういった状況では、むやみに新機種を出し、数をそろえたところで、売れる機種が出てくるわけもない。年に1度でもしっかりと作り込んだ製品を出し、その機種のプロモートに全力を注ぐ会社が市場を席巻できるのである。
今の日本の携帯メーカー、キャリアにそんなリスクを負おうと考える人はいないだろうから、並べておけば1機種が失敗してもリスクは低いといった程度の発想だろう。

現代は、売上数千億、数兆円の企業が1機種に1年かけて全力投球をしなければ、市場でシェアをとれない、そいう時代であることを、経営陣が認識しなければいけない。